空き家の法改正で何が変わった?特措法の要点【2026年版】

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「空き家の法改正」として現在の所有者に大きく影響するのは、2023年12月13日に施行された改正空家法です。従来の特定空家への対応に加え、その前段階にある管理不全空家への指導・勧告、空き家活用を進める区域や支援法人、代執行の円滑化などが導入されました。

空き家になっただけで直ちに罰則や増税があるわけではありません。ただし、管理不全空家や特定空家として勧告を受けると土地の固定資産税等の住宅用地特例から外れ、特定空家への命令に従わなければ行政代執行へ進む可能性があります。制度の段階を区別して対応しましょう。

目次

空家等対策特別措置法とは

正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。適切に管理されない空き家が防災、衛生、景観など地域の生活環境へ深刻な影響を及ぼすことを踏まえ、住民の生命・身体・財産を守り、空き家の活用も促進するための法律です。

法律上の「空家等」は、建築物またはこれに附属する工作物で、居住その他の使用がなされていないことが常態であるものと、その敷地を指します。国や地方公共団体が所有・管理するものは除かれます。「何日不在なら空き家」という日数だけで決める制度ではなく、使用実態などを総合して判断されます。

判断基準や管理不全空家との違いは、法律上の空き家の定義で詳しく整理しています。

この法律は2014年に成立し、2015年に全面施行されました。その後、空き家が周囲へ悪影響を及ぼす前の活用・管理を強化するため、2023年に改正されました。2026年時点の確認では、法令原文と国土交通省が公開する最新の基本指針・ガイドラインを基準にします。

2023年の法改正で変わったこと

改正の柱は「活用の拡大」「管理の確保」「特定空家の除却等の促進」の3つです。危険な状態になってから除却するだけでなく、その前に使う、適切に管理する、権利関係を整理する仕組みが強化されました。

活用の拡大

市区町村は、空家等活用促進区域と活用指針を定め、所有者へ活用を要請できるようになりました。区域内では、安全確保などを前提に、用途規制や接道規制について特例的な運用を可能にする仕組みがあります。実際に利用できるかは、市区町村が区域・指針を定めているか、個別の許可等の条件を満たすかによります。

また、市区町村はNPO法人、一般社団法人、一般財団法人などを「空家等管理活用支援法人」に指定できます。支援法人は、所有者や活用希望者への情報提供・相談、管理・活用などを担います。

管理の確保

放置すれば特定空家になるおそれがある空き家を「管理不全空家」として、市区町村が指導・勧告できる制度が新設されました。特定空家になる前から改善を促す点が、所有者にとって最も身近な変更です。

所有者の責務も、適切な管理に努めることに加え、国や地方公共団体が行う空き家施策へ協力するよう努める内容に強化されました。行政から点検や改善の連絡が来た場合は、無視せず状態と対応期限を確認してください。

特定空家の除却等の促進

所有者が不明な場合などに、裁判所が選任する財産管理人を活用し、市区町村が空き家の管理・処分を進めやすくする仕組みが整えられました。災害など非常の場合に、命令の手続きを経る時間がない特定空家へ緊急代執行を行う制度も設けられています。

行政代執行は「行政が無料で解体してくれる制度」ではありません。所有者等が判明している場合、代執行にかかった費用は命令対象者から徴収されます。

管理不全空家と特定空家の違い

区分主な状態市区町村の主な措置住宅用地特例
通常の空家等使用されていないことが常態情報提供・助言など要件を満たせば適用
管理不全空家放置すれば特定空家になるおそれ指導、勧告勧告を受けると対象外
特定空家倒壊危険、衛生上有害、景観を著しく損なうなど助言・指導、勧告、命令、代執行勧告を受けると対象外

管理不全空家は「指定されたらすぐ罰金」という制度ではありません。市区町村が管理指針に即した措置を指導し、改善されない場合に勧告へ進みます。一方、特定空家では命令に違反した場合の過料や行政代執行につながる可能性があります。

大田区は、建築物、附属する門・塀、立木、擁壁、衛生、景観などについて管理不全空家等の判定基準を公開しています。屋根材の飛散、外壁の脱落、樹木の越境、ごみや害虫など、建物以外の状態も確認対象です。

勧告・命令・代執行の流れ

管理不全空家と特定空家では、措置の最終段階が異なります。行政から連絡が来た時点で、現在どの区分・段階にあるかを確認してください。

  1. 現況調査:市区町村が外観や必要な情報を確認
  2. 指導:管理指針に即した改善を求める
  3. 勧告:改善がない場合に必要な措置を勧告。住宅用地特例へ影響
  4. 命令:特定空家について事前手続きを経て措置を命令
  5. 行政代執行:命令が履行されない場合に行政が措置し費用を徴収

管理不全空家には、特定空家と同じ命令・代執行の段階がそのまま続くわけではありません。ただし、状態が悪化して特定空家に該当すれば、特定空家として別の措置が進みます。指導段階で修繕、剪定、清掃、解体など必要な対応を行い、改善確認を受けることが重要です。

固定資産税の住宅用地特例への影響

管理不全空家または特定空家について勧告を受けた敷地は、固定資産税と都市計画税の住宅用地特例の対象外になります。「管理不全空家と判断された」「指導を受けた」だけで即日税額が6倍になるのではなく、税制上の分岐は勧告です。

また、6倍という表現は、小規模住宅用地の土地の固定資産税課税標準が6分の1に軽減される制度が外れることを簡略化したものです。納税額全体が一律6倍になるわけではありません。詳しくは空き家の固定資産税と住宅用地特例をご覧ください。

所有者の責務と相続空き家

空き家を相続したものの登記を変えていない場合でも、管理問題が消えるわけではありません。まず戸籍、遺言、遺産分割協議、登記、納税通知書を確認し、誰が所有・管理について判断するかを整理します。

相続人が複数いるときは、行政文書を受け取る担当者、現地確認をする担当者、費用負担の決め方を共有してください。相続登記は2024年4月から義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内の申請が原則です。

相続放棄を検討する場合も、期限や遺産への関与によって判断が変わります。空き家だけを放棄することはできないため、家庭裁判所や弁護士・司法書士へ早めに相談してください。相続手続きと並行して、危険箇所への応急対応は止めないようにします。

2026年時点で所有者が確認する5項目

  • 権利:登記名義、相続人、共有者、借地関係を確認
  • 状態:屋根、外壁、塀、擁壁、樹木、衛生、防犯を写真で記録
  • 行政:連絡文書の区分、根拠、指摘箇所、期限を確認
  • 税・期限:固定資産税、相続登記、売却特例、助成申請の締切を確認
  • 出口:管理、活用、売却、解体の費用と期間を同条件で比較

方針が決まるまでの管理方法は空き家対策の7つの手順、巡回を委託する場合は大田区の空き家管理会社おすすめ7選で確認できます。

大田区で行政から連絡を受けたときの対応

大田区から空き家について連絡を受けたら、担当課、物件、現在の措置段階、現地で確認された箇所、改善期限、改善後の連絡方法を確認します。電話だけでなく、文書、写真、見積書、修繕後の記録を保管してください。

  1. 文書の名称と発送元、期限を確認する
  2. 現地を安全に確認し、指摘箇所を撮影する
  3. 応急措置と恒久対応を分けて見積もる
  4. 対応予定を区へ伝え、必要な手続き・助成を確認する
  5. 作業後の写真と領収書を保存し、改善確認を依頼する

所有者・近隣住民向けの入口として、大田区には住宅・空家相談窓口があります。相続、建築、法律、不動産、福祉など複数分野にまたがる場合も、まず相談内容を整理して窓口へ伝えましょう。

空き家特措法でよくある質問

空き家になっただけで特措法の罰則を受けますか?
空き家になっただけで直ちに罰則があるわけではありません。管理状態が悪化し、特定空家への命令に従わない場合などに過料や代執行へ進む可能性があります。
管理不全空家に指定されると固定資産税はすぐ上がりますか?
税制上の分岐は指定や指導ではなく勧告です。勧告を受けた敷地は住宅用地特例の対象外になります。指導を受けたら期限内に改善し、確認を依頼してください。
行政代執行の解体費は自治体が負担しますか?
所有者等が判明している特定空家への行政代執行では、措置費用は命令対象者から徴収されます。自治体が無料で解体する制度ではありません。
相続登記前でも空き家の指導対象になりますか?
登記名義を変えていないことだけで管理責任がなくなるわけではありません。相続人と管理担当者を確認し、行政からの連絡と危険箇所の対応を進めてください。

まとめ

2023年の空家法改正は、危険な特定空家を除却するだけでなく、その前段階の管理不全空家への指導・勧告、活用促進区域、支援法人、財産管理制度、緊急代執行などを整えました。所有者にとって重要なのは、行政連絡の段階を確認し、勧告や特定空家化の前に改善することです。

法律・税務・相続の適用は物件ごとに異なります。大田区の空き家について管理、活用、売却、解体の方針を整理したい方は、相談フォームから現況をお知らせください。法的判断は自治体、弁護士、司法書士、税理士などの専門家へ確認してください。

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