空き家の定義とは?法律・統計・管理不全空家の違い【2026年】
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空き家には、日常会話、住宅・土地統計調査、空家法で異なる捉え方があります。実家へ月1回通っている、売却中、別荘として使っているといった事情だけで、法律上の空家等に該当するかを一律に決めることはできません。
空家法は「居住その他の使用がなされていないことが常態」である建築物等を空家等と定義します。国の基本指針では、おおむね年間を通して使用実績がないことが一つの目安ですが、日数だけでなく電気・ガス・水道の使用、出入り、管理状況などを総合して市区町村が判断します。
目次
空家法における空家等の定義
空家等対策の推進に関する特別措置法第2条では、空家等を「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」と定義しています。敷地には立木など土地に定着するものも含まれ、国や地方公共団体が所有・管理するものは除かれます。
- 建築物:住宅だけでなく、使用されていない店舗・事務所なども対象になり得る
- 附属工作物:門、塀など建物に附属するもの
- 敷地:庭、樹木なども管理対象
- 常態:一時的な旅行や入院による短期不在とは区別
販売・賃貸のため事業者が所有・管理する物件でも、周辺へ悪影響を及ぼさないよう適切に管理されているものは、市町村計画の対象から除く規定があります。所有目的と現況の双方が関係します。
何日不在なら空き家になるのか
法律本文に「365日」「1年」という固定日数は書かれていません。国の基本指針では、使用されていないことが常態かを判断する際、おおむね年間を通して使用実績がないことが一つの基準とされています。
これは、1年経過した日に自動的に空家等へ切り替わるという意味ではありません。反対に、月1回換気だけをしていても、居住や営業など本来の使用実態がなければ空家等と判断される可能性があります。自治体は個別事情を確認します。
| 状態 | 日数だけの判断 | 確認すること |
|---|---|---|
| 旅行・出張 | 短期不在だけで通常は決めない | 戻る予定、生活実態 |
| 長期入院・施設入所 | 期間だけで決めない | 家財、使用、管理、再居住予定 |
| 月1回の換気 | 訪問回数だけで除外されない | 居住・利用の実態 |
| 売却・賃貸募集中 | 募集表示だけで決めない | 適切な管理と流通状況 |
空き家と判断する主な材料
- 住民票や居住者の有無
- 人の出入りと生活・営業の実態
- 電気、ガス、水道の使用状況
- 郵便物の滞留、家具・設備の状態
- 建物登記、固定資産税情報
- 近隣や所有者への聞き取り
- 外観、庭木、破損、管理の状況
これらは単独で結論を出すものではありません。たとえば水道を止めていても改修中の場合があり、住民票があっても実際は長期間使われていない場合があります。
統計上の空き家の定義と4分類
総務省の住宅・土地統計調査では、人が居住していない住宅のうち、一定の区分に該当する住宅を空き家として把握します。政策の基礎となる統計上の区分であり、個別物件へ空家法の措置を行う判定とは目的が違います。
| 統計上の種類 | 概要 |
|---|---|
| 賃貸用の空き家 | 新築・中古を問わず賃貸のため空き家になっている住宅 |
| 売却用の空き家 | 新築・中古を問わず売却のため空き家になっている住宅 |
| 二次的住宅 | 別荘や、たまに寝泊まりする住宅 |
| 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 | 転勤・入院などで長期不在、取壊し予定、分類困難など |
ニュースの「空き家数」には、賃貸募集中の部屋や別荘も含まれます。管理されず放置された戸建てだけの件数ではありません。
管理不全空家と特定空家の違い
「空家等」は使用状態の定義であり、「管理不全空家」「特定空家」は管理状態や周囲への影響に応じた区分です。空家等に該当しただけで、直ちに特定空家になるわけではありません。
| 区分 | 意味 | 主な措置 |
|---|---|---|
| 空家等 | 使用されていないことが常態 | 情報提供・助言等 |
| 管理不全空家 | 放置すれば特定空家になるおそれ | 指導・勧告 |
| 特定空家 | 倒壊危険、衛生上有害、景観を著しく損なう等 | 助言・指導、勧告、命令、代執行 |
制度の詳しい流れは空き家の法改正と特措法で解説しています。
別荘・売却中・賃貸募集中は空き家か
別荘は統計上の二次的住宅として空き家に含まれます。一方、空家法上は、定期的に滞在し意図をもって使用している実態があれば「使用されていないことが常態」に当たらない可能性があります。
売却中・賃貸募集中の住宅も、統計上は売却用・賃貸用の空き家です。空家法の計画対象では、事業者が販売・賃貸のため適切に管理する物件の扱いに留意が必要です。ただし、募集しているという名目だけで破損や樹木の越境を放置してよいわけではありません。
大田区で空き家か判断される材料
大田区は、相談や通報を受けた空き家について現況と所有者等を確認し、必要に応じて対応します。管理不全空家等の判定では、建物、門・塀、立木、擁壁、衛生、景観などを確認します。
区から連絡を受けた場合は、空き家か否かだけを争うのではなく、指摘された危険・衛生・越境状態を確認してください。使用予定がある場合も、予定日とそれまでの管理方法を具体的に伝えます。
空き家と分かった後にすること
- 所有者・相続人・共有者を確認する
- 建物と敷地の危険箇所を点検する
- 施錠、郵便、換気、通水、庭木の管理を決める
- 家財と重要書類を保全する
- 使う、貸す、売る、解体する方針と期限を決める
具体的な進め方は空き家対策の7つの手順、管理を委託する場合は大田区の空き家管理会社を確認してください。
空き家の定義でよくある質問
- 1年間住んでいなければ自動的に空き家ですか?
- 自動的に決まるわけではありません。おおむね年間を通した使用実績は目安の一つで、居住・利用、出入り、ライフラインなどを総合して自治体が判断します。
- 月1回換気すれば空家法の空き家ではありませんか?
- 訪問回数だけでは決まりません。換気・清掃だけでなく、居住や営業など意図をもった使用実態があるかを含めて判断されます。
- 売却中の家も空き家ですか?
- 住宅・土地統計調査では売却用の空き家に分類されます。空家法上の扱いは所有・管理主体や適切な管理状況など個別事情によります。
- マンションの空室も空家法の対象ですか?
- 空家法の空家等は建築物全体が使用されていないことが基本で、共同住宅の一室だけの空室は通常その定義と異なります。ただし統計上は空き家として集計されます。
用語の使い分け(実務)
- 統計上の空き家と、特措法上の空家等は定義が異なる
- 管理不全空家・特定空家は勧告・命令の対象になり得る
- 住宅用地特例の適用可否は固定資産税に影響する
「空き家かどうか」で悩むより、管理状態・名義・活用方針を整理する方が次の一手が決まりやすいです。
まとめ
空き家の定義は目的で異なります。空家法は使用されていないことが常態の建築物等、統計は居住者のいない住宅を4種類に分類します。1年は判断目安であり、日数や月1回の訪問だけで結論は出ません。
使用実態と管理状態を分け、空き家になったら危険を抑えたうえで方針を決めてください。大田区の物件について判断や対応を整理したい方は、相談フォームから現況をお知らせいただけます。