
空き家を相続したら何をする?登記・管理・売却の手順【2026年】
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親や親族の空き家を相続したら、売るか残すかを決める前に、相続人、遺言、債務、不動産、建物状態を確認します。期限がある相続放棄と相続登記を先に整理し、同時に施錠・漏水・郵便・庭木などの管理を始めてください。
2024年4月から相続登記が義務化され、2026年2月には亡くなった方名義の不動産を一覧化する「所有不動産記録証明制度」も始まったため、過去の相続も含めて土地、共有持分、私道なども確認することが重要です。
目次
空き家を相続した直後にすること
空き家を相続した直後は、遺言書と法定相続人を確認し、財産調査と空き家の応急管理を並行して進めます。相続放棄や相続登記には期限があるため、次の一覧に沿って早めに動き出してください。
- 遺言書の有無と保管場所を確認する
- 戸籍を集め、法定相続人を確定する
- 預貯金、借入、保証、税、不動産を調査する
- 空き家の施錠、漏水、火災、郵便、庭木を確認する
- 固定資産税通知書、登記事項証明書、図面、契約書を集める
- 相続放棄・限定承認の期限を管理する
遺言書を見つけた場合、自筆証書遺言の保管状況によって家庭裁判所の検認が必要かが異なります。開封や手続きを自己判断せず、法務局・家庭裁判所・専門家へ確認します。
管理を始める際は、貴重品や権利書だけを探して家財を大量に処分しないでください。相続を承認したと評価される行為や、他の相続人との紛争につながる可能性があるためです。
放置した場合のリスク
空き家の管理が不十分なまま放置すると、市区町村から指導・勧告を受け、改善されなければ特定空家として命令や行政代執行の対象になり得ます。勧告を受けると住宅用地特例が外れて固定資産税が上がることがあるほか、倒壊や部材の落下、害虫の発生で近隣に被害が出れば、所有者が損害賠償責任を問われる可能性もあります。
相続放棄を検討する期限
相続放棄は原則として、自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。空き家の価値より借入や解体費が大きい可能性がある場合は、期間内に財産と債務を調べます。
- 空き家だけを選んで放棄する制度ではない
- 預貯金などプラス財産も含めて判断する
- 相続財産の処分に当たる行為は避ける
- 調査が終わらない場合は期間伸長を早めに相談する
相続放棄後も、現に財産を占有している場合の引継ぎなど個別対応が必要になることがあります。期限や管理義務は事情で変わるため、弁護士・司法書士へ相談してください。
相続登記の期限と義務
不動産を相続で取得したことを知った相続人は、その日から3年以内に相続登記を申請します。遺産分割が成立した場合は、その成立日から3年以内に分割内容に沿った登記が必要です。
2024年4月1日より前に相続したことを知った未登記不動産も義務化の対象で、原則として2027年3月31日までに申請します。正当な理由なく義務に違反すると10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
- 遺産分割がまとまらず期限内の相続登記が難しい場合は、相続人申告登記により申請義務を簡易に履行できる
- ただし、遺産分割後にはその結果に沿った登記が改めて必要になる
2026年に使える所有不動産記録証明制度
所有不動産記録証明制度は、特定の人が登記名義人として記録されている不動産を法務局が検索し、一覧化した証明書を交付する制度です。2026年2月2日に施行され、本人の相続人などが書面・オンラインで請求できます。
固定資産税通知書だけでは、非課税の土地、共有持分、別自治体の不動産を把握できないことがあります。この制度は登記記録から漏れを探す手掛かりになります。
- 住所・氏名の表記差など検索条件による限界があるため、戸籍、権利証、通帳、郵便物、名寄帳なども併用する
共有相続で決めること
空き家を兄弟姉妹などで共有相続する場合は、取得者、管理、費用、出口、精算の5点を書面で決めておく必要があります。共有のまま放置すると、相続人がさらに亡くなるたびに共有者が増え、連絡と意思決定が難しくなります。
| 決める項目 | 書面にする内容 |
|---|---|
| 取得者 | 誰が土地・建物を取得するか、代償金 |
| 管理 | 鍵、巡回、修繕、近隣窓口 |
| 費用 | 税、保険、光熱、片付け、測量 |
| 出口 | 売却時期、最低条件、解体の扱い |
| 精算 | 売却代金と諸費用の配分 |
「長男が管理する」「費用は後で精算する」だけでは紛争になりやすいため、期限、上限、領収書、意思決定方法まで残します。
相続した空き家の選択肢
相続した空き家は、住む・貸す・古家付きで売る・解体して売る・買取に出す、の主に5つの選択肢から状況に合うものを選びます。
| 選択肢 | 向く状況 | 主な確認 |
|---|---|---|
| 住む | 勤務地・家族計画と合う | 耐震、改修、通勤 |
| 貸す | 賃貸需要と収支が見込める | 改修、管理、空室 |
| 古家付きで売る | 解体費を先に負担したくない | 契約不適合、残置物 |
| 解体して売る | 土地需要が高い | 解体費、税、接道 |
| 買取 | 早期・現状処分を優先 | 価格と条件 |
相続登記後、現況売却・仲介・買取・解体後売却の査定を同時に取り、手取り額と期間を比べます。管理だけを続ける場合も期限を決め、空き家管理の方法を整えます。
土地を手放したいだけの場合に使える相続土地国庫帰属制度は、建物がある土地を引き取れない土地の要件に含めているため、家屋を解体して更地にすることが前提になります。
税金と特例を確認する
相続時には相続税、保有中には固定資産税・都市計画税、売却時には譲渡所得に対する税が関係します。取得費が分からない、共有者が多い、相続税を納付した場合などは税理士へ確認してください。
一定の相続空き家を期限内に売却すると、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があり、相続人が3人以上の場合の上限、建築時期、被相続人の居住、耐震・取壊し、売却期限、売却代金など要件があります。詳しくは相続空き家の3,000万円特別控除で整理しています。
- 売却前の準備:相続後に売る方針を選ぶ場合は、空き家売却で失敗しない準備も契約前に確認します。
- 固定資産税:名義変更を待たず課税関係が生じるため、納税通知書の送付先と共有者間の負担を確認し、解体前後の税負担は空き家の固定資産税を参照します。
大田区の空き家を相続した場合の進め方
大田区の空き家を相続した場合は、登記・名義確認、区の資料確認、現地調査、相続人間の合意、査定比較、実行の6ステップで進めます。
- 東京法務局で登記と名義を確認する
- 大田区の固定資産税資料と建築資料を確認する
- 現地で建物・家財・境界・近隣影響を調べる
- 相続人間で管理と費用を決める
- 複数の出口査定と必要費用を比較する
- 相続登記後、活用・売却・解体を実行する
危険な破損や越境がある場合は、遺産分割を待つ間も応急対応が必要です。大田区の空家総合相談窓口では、空き家に関する相談を受け付けています。
空き家相続でよくある質問
- 親名義の空き家をそのまま売却できますか?
- 原則として亡くなった方の名義のまま相続人が売却登記をすることはできません。遺産分割と相続登記を行い、売却する人の名義を整えます。
- 相続登記の期限はいつですか?
- 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日より前に知った未登記不動産は、原則として2027年3月31日までに申請が必要です。
- 空き家だけ相続放棄できますか?
- 特定の空き家だけを選んで相続放棄することはできません。相続放棄は原則として権利・義務全体に及ぶため、預貯金や債務を含めて専門家へ確認してください。
- 兄弟で相続した空き家を一人で売れますか?
- 共有持分だけの処分と不動産全体の売却は異なります。空き家全体を売るには共有者全員の合意が必要になるため、価格・費用負担・代表窓口を早めに決めます。
まとめ
空き家相続では、3か月の相続放棄、3年以内の相続登記、建物の安全管理を並行して進めます。2024年4月より前の未登記相続も対象で、原則2027年3月31日が一つの期限です。
制度・税・共有関係は個別事情で結論が変わります。大田区の空き家について売却・管理の選択肢を整理したい方は、相談フォームから相続人数と現在の名義をお知らせください。